子どもに算数を教えたい! という保護者様へ

保護者の方がお子さんに算数を教えたいと思う気持ち。
ありますよね。特に数学が得意だったお父さん。
その気持ち、わかります。
(私も教えるのが楽しくてこの職をしています)。

そこで、教える際の留意点を3点お伝えします。
本日はその1点目について。
参考になればと思います。

①方程式を使わない(特に、算数が苦手な子には相性が悪いです)
方程式を中学で学ぶのは、小学生には抽象的な文字式・変数の理解が難しいからです。

「つるかめ算の面積図」をご存知でしょうか。
実はあれは、連立方程式を視覚化する装置なのです。

つるかめ算の面積図で行う操作の一つ一つは、
連立方程式を解く上での操作と一対一対応します。

では、なぜ連立方程式をそのまま教えないのか。
「ついていけないから」です。

「つるの数をxとし、かめの数をyとする」で
つまずく子がいるでしょう。

x+y=18、2x+4y=46と書いたあと、

この式が何を表しているか、よくわからないと言い出す子がいるでしょう。

x+y=18だから、2x+2y=36だよね、という話に、

何でそんなことをしているの、36ってなんの数、
と頭を抱える子がいるでしょう。

言い出してくれるならまだ良いです。
言い出さない子は、分かった気分になってその場でうなずくだけで、
実際に自分で再生するのはまず無理だと言って良いでしょう。

意味理解が伴わないので記憶に残らないのです。

式の意味、数字の意味を考えて、数の感覚を養おうとする算数と、
式を立てた後はただの計算手続きを機械的にこなす数学では、
育てたい力、求める力がすれ違っているのです。

中学生が入学してから最初に行うような、
式変形と移項を使った計算の練習を小学生のうちにしておき、
全ての問題を数学で解く覚悟を決めるなら話は別です。
しかし、おすすめはしません…。

実際、ある中学の算数の先生のお話では、
解き方も答える形式の問題で方程式を使って解いている場合、減点だそうです。

入学してから行うことを、入学する前に行う必要性も薄いと思います。

次回は、その②をお伝えいたします。