面白く生きる! (あざみ野)

こんにちは! 先日の社員会で久しぶりにスーツを着ようとしたら、一番お気に入りのスーツのパンツがきつく着られず、「まだまだ成長期だね」と妻に言ったら、「何言ってるの、夜食食べすぎ!」と叱られて、ダブルでへこんでいる澤井秀太郎です。

さて、読書の秋はとうに去って、年の瀬も迫ってきています。
それでも行き帰りの電車での楽しみの一つに読書があります。
今日は最近読んで、これは通ってくれている子どもたちにも伝えたいなと思ったことを書いてみます。

ご紹介したいのはこの本です。

京極夏彦さんの「地獄の楽しみ方」

これは”17歳の特別教室”という出版社主催の特別授業の内容を元に構成された読み物です。

京極夏彦さんの作品やその世界観が好きで、著作はほとんど読んでいるのですが、こういった講演会に足を運んだこともなかったので、新鮮な気持ちで読み進めました。
今回は妖怪は出てきません。「言葉」やその使いこなし方について楽しく論じられています。

その中で、勉強について触れたくだりがありました。
「勉強って楽しいんですよ。だって、いろんなことをおぼえられるんですからね。賢くなるんですよ。楽しいでしょう。楽しいはずなんですよ。」

いかがですか? 私も今でも勉強する時間をとっています。ビジネス書を読んだり、入試問題にとりくんだり、趣味の読書も含めていいでしょうか。
どれも楽しいです。
学生時代の「勉強」はさせられている感が強くて、正直あまり好きではなかったのですが、知らないことを知ること。新しい世界が開けていくことには楽しみを感じていました。
京極先生はこうもおっしゃっていました。

「学校の先生の授業はあまり面白くなかったんじゃないですか。
 面白く教えようと思っていないですからね。でも、本当は普通に教えるだけで面白いんです。わざと面白くないようにプレゼンテーションしているんですよ。」

学校の先生の耳に入ったら怒られそうですが、学ぶことが楽しくてニコニコしていたら、何笑っているんだ! なんて言われて、そうしたら面白くないですよね。
勉強ってニコニコしながらしてもいいじゃないですか。

この辺りとても共感しながら読んでいました。

そして、極めつけは……。

「みんな社会に出てから地獄のような日々を味わっているんです。世の中にはいいことなんて何にもないですよ。地獄ですね。
 でも、面白いんです。地獄だって面白がれば面白いんです。」

すごいですね。頭をガツンとやられました。
私もこの仕事好きでやっていますし、楽しいことのほうが多いです。別な仕事についていた時期はつらくて辛くて。聖飢魔Ⅱが大好きな私でも「地獄」は生きづらかったです。まさに、その時に読んでみたかったです。
それはさておき、楽しい仕事でも楽しくない部分もあります。それだって面白がれば面白いと京極先生がおっしゃっている。

そして、ふと幕末の志士、高杉晋作の句がふと頭をよぎりました。

 面白きこともなき世を面白く

しかしながら、京極先生がこの歌に触れていないということは、言いたいことがそれぞれ違うのかなと。

京極先生はこの授業でおっしゃっていました。
「言葉というのは多くの情報を捨てて、ほんのちょっと、氷山の一角程度しかものごとをあらわせない、(中略)
 言葉を聞いた人間は、捨てられた部分、欠けている部分を、勝手に埋めちゃうんです。」と。

高杉晋作は、幕末の世の仕組みを面白く変えていこう! という意図だったのかもしれません。
それを僕は僕の視点で「いまの面白くない状況をどう面白くしていこうか」と読み取っていたのかもしれません。

話を元に戻しましょう。
なんだって「面白がれば面白い」という考え方。
すとんと腹に落ちました。

いかがですか?

今日はどうやって面白くしようと考えていくことそのものが楽しいですし、そうやってなんでも楽しく取り組むほうが、きっと何に取り組むにしても成果が出そうです。

勉強もそう。
どうしたら面白く取り組めるのか、一緒に考えてみませんか。