達成感を演出するやることリスト

私たちは誰もが、幼いうちから「自分の言葉に責任を持つ」ということを学ばされます。
あとになってから難しいことだと気付いたとしても、同意したことは守らなければならないと感じます。
だから、「責任」がもたらす力を知っている指導者は、相手を必ずコミットさせます。

ライザップなどは良い例です。
本人がやっていることはただの食事制限と運動です。
技術的に難しいことではありません。

でも、自分でやろうと思ってもほとんどの人間は続けられない。
だから、それをトレーナーとコミットさせ、自分の行動に「責任」を持たせているのです。

勉強においても原理は同じです。

小学校高学年にもなれば、半分以上の子が「自分の言葉には責任感を持つべき」という感情を抱いています。

だから、勉強するよう説得したい相手に責任を持たせる最善の方法は、
これから行う計画について具体的な内容を決めて締め切りを設定し、それに合意させることです。

そう、前回お伝えしたSMARTの法則に基づいた短期目標作りです。

もちろん、中には決めた「やること」をクリアしていくことができない子もいます。
計画の進捗状況が、望ましくない方向に進みだしたときは、
それまでに行われてきたコミット内容を指摘していくことで元に戻すことができます。

これが特に効果を表すのは、相手が約束を果たしていないときです。

「私(教師や保護者)はこれをやる、君(子ども)はあれ(事前に問題演習など)をやるということで約束をしたよね。
 私は自分の役目を果たしたけど、君が約束を果たしていない理由は何かあるのかな?
 それは私が手伝ってなんとかできることだろうか?」

そうやってコミット内容を確認するだけで大丈夫。
きちんとやらなければというプレッシャーが戻ってきます。

このように、初めはやるべきことをリストアップさせ掲示して、
「責任感」で縛りながらやらせていくわけですが、
やるべきことが具体的かつ計測可能なので、
本人達はクリアしたら「達成感」を強く感じられます。

なんとなく勉強するのとは大きな違いです。

すると、「やらなければ」ではなく「やりたい」という気持ちを生むこともできるのです。
モチベーションを維持しながら、徐々に自発的に勉強できる子に育てていくのです。

「やることリスト」作り、ぜひ取り組んでみてくださいね。