歴史を学ぶのはなぜ?

十七条の憲法を定めたのは聖徳太子だとか、
鎌倉幕府の成立は1185年だなどと、
歴史は暗記ばかりでつまらないと感じているお子さんがいるかもしれません。

しかし、歴史の学習はそこからもう一歩踏み込んだところにあるんです。
そのできごとが世の中をどう変えたのか、歴史の教訓を後世にどう生かすのか。
そんなふうに考えを深めていくことが大事なんです。

太平洋戦争が起きたのは1941年12月という知識から踏み込んで、
「なぜ戦争が起きるのか」「戦争をなくすための取り組みはどうなっているのか」を考える。

今もロシアとウクライナが戦争をしていますが、
日本が戦争に巻き込まれることはないのだろうか。

日本にたくさんアメリカ軍の基地があるのはなぜだろう?
北方領土って何?
いろいろなことがつながって、知りたいことが増えてきます。

歴史を深く掘り下げていくと、
「今」は「過去」のできごとの上に成り立っていることがわかってきます。
そして、自分もまた「今」をよりよくするための社会の一員だと理解できるはずです。

もちろん受験に向けての学習ですから知識も大切です。
でも、昨今の入試問題を見ていると、知識だけでなく、その背景を説明させる問題も見られます。
そのためにというわけではありませんが、
知識をもとに考える力は今の子どもたちに求められている力なのです。

情報の精度を見抜く選択眼を持ち、正しい知識をインプットする。
インプットした知識を掘り下げ、考えを深める。
そうやって学習に取り組んだ子どもは、
きっとこの先の人生の難題にも立ち向かっていけるはずです。