学習量が2.5倍になる計画、どう作る?

計画を立てることの大切さはみなさんもきっと感じてらっしゃいますよね?

実際このことは多くの社会心理学の実験でも実証されています。

例えばペーター・ゴルヴィツァーとハイディ・ハルバーソンという心理学者が高校生を対象に行った実験です。

 夏休みの自習課題としてPSAT(※)の模擬テスト10 回分を配布し、
 半数の生徒には休みの間に「いつ」「どこで」それを使って勉強するか、
 シンプルな計画を決めさせました。例えば、「朝食後、自室で」のように。
 (※大学進学適性試験の予備試験。これで良い成績を取ると大学進学に際して数百万円単位の奨学金がもらえます。
  アメリカの高校生はみんなこの試験で良い成績を取りたいと思っています。)

 休暇中生徒たちには一切連絡を入れませんでした。

 九月になって問題を回収したところ、
 計画を立てなかった生徒達は平均して100 問しか問題を解いていなかったのに対し、
 計画を立てた生徒は平均して250 問の問題を解いていました。

なんと計画を立てるか立てないかで、
解いた問題数に2.5倍もの違いができたのです。

ここでの注目すべきポイントは、
この違いは「やる気の強さ」や「意志力の強さ」とは全く無関係だったということです。

被験者となった高校生たちのようにPSATを目前に控えた子たちも、
中学受験を目指す小学生たちも、みんな少なからず「やる気」はあります。


にもかかわらず、多くの子たちがやろうと思ってもなかなか実行できずに、
目標達成のチャンスを逃し続けているのです。


しかし、計画を立てるという技術を身につければ、
意志の弱さを補って行動を増やし、成果につなげることができるのです。

子どもにぜひ身につけさせたいものですね。


さてそれでは、失敗しないスケジュールの立て方です。

1.まずは1週間の中でやるべきことと、かかる時間をリストアップしましょう。
前回のブログでお伝えした「学習記録を書く」という作業をしていれば、
何にどれくらいの時間がかかるのかを大まかに把握できるはずです。


2.1週間のなかで、学校や塾、それ以外の習い事などで、
家で勉強できない時間をあらかじめスケジュールに書きましょう。


3.見たいテレビがあったりその他の趣味などのために、
できれば勉強したくない時間は先に確保しましょう。


4.残った時間の中に、最初にリストアップした
「やるべきこと」をはめ込んでいきましょう。パズルの要領です。

この手順を守って作成すると、無理のない学習計画が立てられます。

そして、実践してみてうまくいかないところがあったら、適宜修正していきましょう。
なかなか計画通りにいかないことも多いと思いはずです。


それでも「原則」が決まっているのと、常にいきあたりばったりなのとでは、
少しずつ差が生まれて、気付けば大きな違いになっていくのです。

お子様がその通りに行動できなくても、焦らず見守ってくださいね。