前回の続きです。
子どもに教えたい!
でも、結構難しいですよね。
同僚の塾教師でも、自分の子どもに教えるのは難しいと言っています。
今回は、そんなお気持ちにお応えする第2回です。
②自分の解法を示す前に、お子さんの解答過程を真摯に見てあげる
「できる人」ほど指導する側になるのは難しいです。
「できない人の気持ちが分からない」からですね。
よく言われる話ではないかと思います。
私は小学生のときは国語が好きだったので、
「こんなん面白がっているうちに全部覚えてしまうじゃん」
という気持ちになってしまいがちです。
そのため、「なかなか覚えられない」という生徒の頭の中で
何が起きているのかを察することが難しく、
指導には試行錯誤が必要でした。
一方で、算数は子供のときもそんなに得意ではなかったので、
講師を始めた時は、解説はおろか自分が解くのにも困る問題がありました。
そこで、まずは私自身が勉強し直す必要がありました。
目の前の生徒を指導しながら、一緒に学ぶ数年がありました。
そうして、大抵の問題は解けるようになっても、次のハードルが待っていました。
今度は自分の解法を生徒に押し付けたくなったのです。
「私の解法が一番賢いのでは?」という自信がついた結果、
生徒の解法を聞く前に、「〜は試した?」「〜を書いた?」
と聞くようになりました。
ある時、生徒同士で教え合いをさせていたとき、
会話を横から見て気づきました。
生徒の解法も面白い!なるほどそんな発想があったか!と。
私の解答のほうが答えに一直線できれいにたどり着けるのですが、
生徒が生徒自身の思考力の中で「ここまではわかる」と
地道に考えて解いているものを否定する理由はありませんでした。
その後は、よく聞いて生徒の解き方を理解し、
つまずいているときはその生徒の解き方に乗っかって、
その子が今まで考えていた過程に付け足す形で
アドバイスすることを目指すようになりました。
受験後、「澤井先生は僕の意見を聞いてくれた」という話をしてくれて、
生徒の解法に共感することの重要さが身にしみました。
お子さんが考えた解法を無視して、頭ごなしに別の解法を教えるのは、
それまでの試行錯誤や努力を無視することになります。
できる限りお子さんの解き方・思考を尊重しましょう。
次回もこの話題が続きます。